サポートレベルやレジスタンスレベルと同様、ピボットポイントレベルも永久に維持されるわけではありません。レンジ相場での取引においてピボットポイントを使用することは役に立ちますが、常に有効であるというわけでもありません。
これらのレベルが維持されない状況では、他のツールを使用することも重要です。以前説明したように、ブレイクアウトを利用したトレード方法には、積極的な方法と保守的な方法の2種類があります。どちらの取引方法でも問題はありませんが、保守的な取引方法では、サポートレベルやレジスタンスレベルの再テストを待つことになるため、最初の動きを逃してしまう可能性があることを覚えておいてください。
ブレイクアウトトレードでのピボットポイント活用法
ピボットポイントを用いたブレイクアウトトレードについて見ていきましょう。これはEUR/USDの15分足チャートです。

EUR/USDは、終日強い上昇を見せました。
ピポットポイントを上抜けして取引を開始した後、強い上昇を見せ、その後R1でやや停滞しました。やがて、レジスタンスレベルをブレイクして50pipsも上昇しました。
ここで積極的な方法を取っていたとすれば、最初の動きを捉え、多くの利益を得ることができていたでしょう。
一方で保守的な方法を取り、再テストを待っていたとすれば、R1をブレイクした後、価格は再テストしなかったため、あまり利益を得ることができていませんでした。
しかし、積極的な方法を取っていれば、価格が最初のブレイクを維持できず、フェイクアウトに巻き込まれていた可能性もあります。
最終的には価格はブレイクしたことが分かります。ブレイクしたレジスタンスラインで再テストもありました。
また、後日価格が反転し、R3を超えて下落していることにも注目してください。レジスタンスからサポートそしてレジスタンスの再テストで、売り注文を入れるチャンスがありました。
ロールリバーサル
ロールリバーサルは、サポートレベル(レジスタンスレベル)がブレイクすると、レジスタンスレベル(サポートレベル)に変わるということを意味します。
ブレイクアウトでどこに逆指値注文を設定し、ターゲットを選ぶのでしょうか?
ブレイクアウトトレードで難しい点の一つが、逆指値注文を入れるところを見極めることです。ピボットポイントのサポートレベルやレジスタンスレベルのブレイクを探すレンジ取引とは異なり、強力かつ急速な動きを探すことになります。
あるレベルがブレイクすると、そのレベルは「サポートレベルからレジスタンスレベル」または「レジスタンスレベルからサポートレベル」に変わる可能性が高くなります。
買い注文を入れて価格がR1をブレイクしたとすれば、R1のすぐ下に逆指値注文を入れることができます。
EUR/USDのチャートで逆指値注文と利益確定を入れることができる位置を確認してみましょう。
ターゲットの設定は、一般的に利益確定ポイントとして次のピボットポイントのサポートレベルまたはレジスタンスレベルを狙います。大きな経済イベントやニュースがない限り、価格が全てのピボットポイントレベルをブレイクすることは、ほとんどありません。

この例では、価格がR1をブレイクしたことを確認し、R1のすぐ下に逆指値注文を設定しています。価格が上昇し続けると予想するとすれば、ポジションを維持したまま手動で逆指値ポイントを移動させ、動きが続くかどうかを確認することができます。
どのような手法やインジケーターであっても、ブレイクアウトを狙ったトレードにはリスクが生じることを意識しておきましょう。
まず、現在の動きが続くかどうかは分かりません。価格が上昇し続けると予想してエントリーしたとしても、トップやボトムを捉えてしまう可能性もあります。
次に、それが真のブレイクアウトであるか、それとも重要なニュース発表により起こった動きであるかは確信できないということです。ボラティリティの急上昇は、大きなニュースや指標発表時によくあることであるため、ニュース速報を常にチェックし、その日やその週の経済カレンダーに何が掲載されているかを把握しておきましょう。
最後にレンジ相場での取引と同様、他の重要なレジスタンスレベルとサポートレベルに飛びつくことが大切です。R1がブレイクしていると考えたとしても、R1のすぐ先に強力なレジスタンスレベルがあることに気づかないこともあります。価格はR1をブレイクし、レジスタンスレベルをテストし、そのまま下落するかもしれません。
サポートレベルやレジスタンスレベル、ローソク足のパターン、インジケーターなど、FXの知識を駆使してブレイクが本物であるか判断する必要があります。